出店者ストーリー【YUJI ISHII】

2015年ジュエリー技能グランプリにて、貴金属装身具制作部門3位を受賞し、独自に考案した「ギミック(動く)ジュエリー」を手がける【YUJI ISHII】。

古き良き暮らしが息づく丹波篠山に移住し、地域の賑わい作りの役割も担いながら「お客様の想いを形にする」ことを大切にしてきました。

この4月、同じ篠山にある小さな森のアトリエに転居したことをキッカケに、創作への新しいイメージが生まれているようです。
以下、作家からのメッセージ。

篠山に移住して4年半、職人の世界から、個人作家へと歩みを進め、新たなお客様と繋がりながらの暮らしでした。
「続けていくことの難しさ」を漠然と感じながらの制作や生活は、3年目まではとにかく必死に。そして4年目の昨年は今後を考える時間となりました。

アトリエを移すことになったのも、その流れの中で生じた、偶然にみえて、必要とされたタイミングだったのかもしれません。

制作したいものも変わってきました。身に付けることが大前提で制作してきたジュエリーという枠組みを取り払おうとしています。
身に付けるものは、大きさや重さや安全性などを考慮することが求められます。それは使い手のことを大切にしたい、尊重したい、と思う気持ちですが、その枠に収まることは、作り手としての作りたいカタチを、部分的に捨てなければならないからです。
自分が本当に作ってみたい作品が、時に、重たかったり尖っていたりして、ジュエリーに仕立て上げられない時、ムズムズした感じを持っていたのです。

今たどり着いたのは、いわゆる「オブジェ」作品の制作です。
そして、作りたいと思ったものをその時に作ることを選ぶようにしています。
作りたくて描き溜めたデザインがあっても、時間が経つと「作りたい」と湧き上がっていたその時の自分の気持ちを探せなくなってしまうのです。
生まれなかった作品があるとするなら、それは、残念だなと思うようになりました。

今年初めに、自分が向き合うべき言葉が出てきました。
「今」now
「直感」intuition
「楽しむ」enjoy

作りたいイメージを製図のように具体的にせず、おぼろげで曖昧な状態からその時々の直感で作り上げていく。
制作の間の気持ちの変化さえも楽しみつつ、その時間を閉じ込めたい感じなのです。

これは、今までメインとしてきたお客様のオーダー制作とは正反対のプロセスです。
オーダーの場合は出来上がりを共有するため、できるだけ細かいディテールを描き込み、そのゴールに近づける作業となるからです。

今、心にあるのは、
その時の感覚を大切に制作したい。
完成が100%でなくとも良い。
ひとつの完璧よりも、よりたくさんの作品を生み出したい、
ということ。
それは、その瞬間に湧き上がる「創りたいという想い」を消えてしまう前にカタチにしていきたい、そのプロセスに深く入っていきたい、という欲求なのかもしれません。

制作に向き合う自分の気持ちが、こんなに変化するとは思いもしませんでした。

そのような感覚の作品をSNSでアップすると、自分が楽しんでいる気持ちが伝わるのか、良い感じに反応していただけるようです。

今、この瞬間を自分自身が楽しんでいくこと、それが大切なのかもしれません。

作家のWeb ▶https://www.facebook.com/JewelryManufactureEauge/

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