出店者ストーリー【彫金師史郎】

伝統的金工技術を活かし、地金を造形し、彫り、磨いて仕上げる。
その全ての工程を、ハンドメイドでおこない、金工のアクセサリーを制作する【彫金師 史郎】のメッセージです。

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伝統工芸品と呼ばれる品々は、それほど遠くない昔、身近な物であり、暮らしの道具でした。

金属工芸においては、刀鍛冶は刀の他に鎌や包丁などの生活用品も作り、錺屋(金工細工師)は、装飾品である櫛や簪を製作していました。

しかし、生活スタイルが変化し、工業製品があふれるようになると、工芸品は使わないからと、日常から切り離されていきます。

そして生活の中から、次第になくなっていきました。

工芸の世界では、多くの場合、制作工程は細かく分業化されており、職人はそれぞれの作業のスペシャリスト。

そのため、その工芸全体の需要が低下し、分業化された流れが動かなくなると、企画・デザインができない職人たちは、時代に合った商品をつくる事ができなくなります。

技術が素晴らしくても、人々が求める品をつくりだせないのです。

私は個人作家として、その全ての工程をただひとりで行うことで、伝統的技法・技術を活かせるモノづくりを考えています。

今の暮らしにあったデザインを考えながら、地金を造形し、彫り、磨いて仕上げる。そういうモノづくりが、工芸の伝承につながればと考えています。

今回のCreFesでは、彫って仕上げるために大切な「良い素材をつくる」ことを目にみえるようにお伝えしようと、「杢目金(もくめがね)」のアイテムを紹介します。

杢目金とは、色味の異なる数種類の金属を加熱し、叩いて層状に圧着し、彫りなどを加えることにより1枚の中に木目のような模様が出るように仕上がった金属です。(下の写真)

叩くことにより金属内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶方向を整えて強度を高めるとになります。これは「鍛造」という工程です。

これが上手くできなければ、「杢目金」も「彫刻のジュエリー」も美しく仕上がりません。

地金から手づくりで仕上げてこそできる作品たちなのです。

++++++Crefes クリエーターズフェスタ