植田明志

撮影: Keiichiro Natsume【SPINFROG】

粘土という自由な素材が

記憶や想像と混ざり合い

新しくもどこか懐かしさを感じる

それは、なにものにも囚われないカタチ

絵本のように物語を添えて、あなたのもとに

石粉粘土で造形を続ける、[植田明志]。名古屋芸術大学在学時より作品を発表していました。

独立して間もない頃、誰もが先の見えない不安感に包まれてしまいます。

自由ではあるけれど、大きな不安。その中に見え隠れする、かすかな光。

その光は、チャレンジを続けることで自分への期待となります。自分はこれしかできないから、という弱みは、自分だけにしかできない、という強みになっていきました。

名古屋近郊から始めた個展は、皆さまからの応援が増すにつれ、東京へと場を移し、そして近年は、ニューヨークやオーストラリア、北京での展示も開催。大きな反響を呼びました。

独立して7年を過ぎた2021年12月、これまでの軌跡をたどるような作品集「COSMOS」を出版。懐かしさをテーマにした初期作品から、作風の変化を経て、最近のポップな作品へ。背景にある物語と共に、時間の流れを感じさせる一冊です。

今回の CreFes2022では、イベントテーマである「とある街で。空想を旅する」を体現し活動する作家として、参加。

制作の過程で大切にしている、背景ストーリーに注目いただければと思います。

作家の在店日は、
8月9日 13時~16時
8月13日  16時~19時

制作実演を実施します。

作品タイトル <The Pop future>

不思議な光景だった。

足元から遥か彼方まで広がる砂漠。

不思議と暑くはない。そっと足元の砂を掬うと音もなく指の隙間から零れ落ちた。

私の他にも何人か砂漠を歩いているのが見えた。

でも誰も「あれ」を気にしていない。

私はどこからか降り注ぐ光の下、その街を見上げた。

夕焼けに焼かれたかのような朱色に、覚めるような群青。

恐らく前方であろう方向に伸びた雄大な2本の角。

私は知らない内にこの不思議な街の近くにいた。

遺跡のような表皮の隙間、沢山の何かが蠢いているのが見えた。

それら全てが私を見ているような気がしたが、不思議と嫌な気分ではなかった。

気づくと砂漠を歩いている人は全て消えていた。

きっともう私も消えているのだろうと思った。

皆この街の一部になり、その赤い表皮の隙間からこの時の流れを見続けるのだ。

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